意地悪な片思い



『佐々木ハウス50周年祝賀会』

 簡易ステージの上につられている白い幕、明朝体でそう本日のイベントの名前が表示されている。

私は会場の隅に立って長嶋さんとその様子を見守っていた。

 クリスマス・イブに行われた本日の祝賀会。私たちの会社から30分ほどのところにある佐々木ハウスさんは、この日50周年を迎えられたらしい。


 会社内での親睦もとい他会社との連携も深めるようなものと、数か月ほど前に依頼されていた今回の祝賀会の企画。

私は少しだけ意見を言わせてもらっただけで、ほとんどは長嶋さんと同じ部署のほかの社員さんが手がけたようなもの。

本来ならば私は様子をうかがいにくる予定もなかったのだが、
長嶋さんに連れられて今に至る。


 会場は予算をあまりかけたくないという意見を考慮して、佐々木ハウスさんの会社内で実施。

他にも環境を考える会社ならではとして、社員さんのいらなくなったものをビンゴゲームの景品としたりなど、御会社のことを考えた内容となっている。

「みんな楽しそうですね。」
 小声で隣の長嶋さんに声をかけた。

「よかった。」
 少しだけ彼の口が緩む。

 陽気な長嶋さんが嘘のように、仕事中は冷静沈着。
緩んでた口元も、ほらもう元どおり。

きっと次の仕事に生かそうと、改善点を探ってるんだ。

長嶋さんってすごい。
この瞬間、毎度のことながら私はいつもそういたく痛感させられちゃうよ。