それからはずっと彼を目で追う日々が続いた。

彼に話しかけられた時は嬉しくて、胸がときめく。
彼が他の女の子と仲良くしているときは、心がきゅっと締め付けられるように傷む。
彼の言動、行動に一喜一憂する自分がいた。

時が過ぎるにつれ彼への気持ちは大きくなるのに、彼との距離は縮まる気配をみせない。
もどかしくて仕方がなかった。

私が消極的過ぎるのかな。
告白とか、したほうがいいのかな。

秋から冬に変わる頃、私はそんなことを考え始めていた。

そして1年生の冬のことだった。
12月末、天文同好会は旅行で長野を訪れていた。

みんなが飲み会で酔いがまわり始めた頃、私は席を離れ泊まっていた旅館のロビーから少し離れたところに置かれているソファーで休憩をとっていた。
窓際なので、空に星が輝いているのも見えた。

少し疲れたな…
賑やかなのは好きだけど、長時間続くと疲れちゃう。

ふうっと深くため息をついたときだった。

『ここにいたの?』

そう声をかけられて振り向くと、そこには右手にグラスを持った朝日が立っていた。

『朝日先輩っ…!』

私の心臓が大きく跳ね上がる。

『もしかして酔ったのかなって。だから水持ってきたんだけど、要らなかった?』

もしかして私が飲みの席を抜けてきたのを心配して、わざわざ追いかけてきてくれたの…?

『い…いえ、いただきます!ありがとうございますっ』

私はコップを受け取り、水を一口含む。

『隣、座っていい?』

『は、はい!』

私がそういうと、彼は私の右隣に腰を下ろした。