樹さんが私に一枚の手紙を差し出した。
「どうぞ、ご覧ください」
何かと思い、受け取る。
そしてーー
恐る恐る中を開けてみると・・・
「有能な諸君
一週間以内に我が孫娘を見つけた者には
十億円と一条グループの跡継ぎの権利を与え
なお、その者には孫娘の婚約者とする
一条史郎」
「はいっ!?」
まてまてまて・・・・!
いろいろ
話が大きすぎて!!!
これは何事ですか・・・
10億円!?
婚約者!?
しかもーー
もしかして
もしかしなくても・・・
この孫娘ってわたし・・・。
嫌な記憶が脳裏に過ぎる。
「えっーと・・・
あの、これはどういうことですか・・・?」
「お前、昨日から質問多すぎ
人に聞く前に少しは自分で考えろ」
そんな言い方しなくても・・・!
昨日からいろんなことが
起きすぎて頭が追い付かない。
考えれば考えるほど頭が混乱していく。
「颯真さん、きちんと説明しないと
この状況を簡単に受け入れられないですよ」
樹さんが優しく彼を制しする。
