偽王子と嘘少女



「…というわけだから、藤堂くんも私に構わないでね。勉強会はもう終わり。これからは1人で頑張って」


次の日の放課後。


掃除中に、忠告をしておいた。


彼のことだから、モテるのに必死で、自分が本気で好かれているなんて気づきもしないだろう。


だから、本人に告げておいたんだ。


もちろん、園川さんが藤堂くんのことを好きというのは内緒で。


「は? 意味分かんねえ。構ってんのは、そっちじゃん」


機嫌を悪くさせたのか、いつもより強い口調で声に出す。


全く、可愛げがない。


園川さんは、こんなやつのどこが好きなのだろうか。