だって、美のカリスマが、偽りだらけでただ皆にちやほやされたいだけの人間のことが好きなんて!
おっと、これは言い過ぎた。
でも、大して変わらない。
藤堂くんのあの姿は、本当の彼ではないのだから。
「だから、これからはあまり藤堂くんに近づかないでほしいなぁと思って。かぐやは友だちだから、私のこと応援してくれるよね? 約束してくれない?」
にっこりと微笑んだ彼女の笑顔は、眩しいくらいに天使だった。
可愛さのあまり、つい頷いてしまった私は、これが悪夢の序章となることにまだ気づいていなかったのかもしれない。


