偽王子と嘘少女



不思議に思っていると、その店員さんは希子を呼んだ。


希子は店員さんに連れられ、奥の厨房で話をしている様子。


数分後戻ってきたときは、なんだか焦っているような表情をしている希子がいた。


「ごめん、2人とも! 急にシフトがはいっちゃった。実は、バイトの子が突然具合悪くなっちゃったらしくて…」


「そう、だったんだ」


バイトをしていると急にこんなことを言われることもあるんだなぁ、と同情する。


「いいよ、行ってきて。頑張ってね」


ガッツポーズをして希子に見せると、ぱあっと表情を明るくさせ、申し訳なさそうに笑った。