偽王子と嘘少女



「そういえばさ、さっき藤堂くんの話してたって聞いたけど、どんな?」


「えっ…と」


自然と言葉が詰まる。


藤堂くんの秘密、園川さんに話してもいいのかな。


けれど、お互いに内緒って無意識に決まっているし、藤堂くんだって、きっとまだ私のこと話してないのだろう。


それなのに、私は彼の気持ちを裏切ることになる。


どうしたら…。