偽王子と嘘少女



「お、お待たせしました」


そのくらいで顔を赤くしている様じゃ、まだまだ半人前だね。


もらったオレンジジュースを飲みながら、私は高らかに微笑んだのだった。





「じゃあ、今日はありがとう。私、もう帰るね」


いつの間にか洗濯していてくれた私の制服を紙袋に入れてもらい、玄関で向かい合う。


「本当に大丈夫か? 送ったりしなくて」


「別に大丈夫でしょ。帰るときは、地味モードになっているから」


「いや、そういうことじゃ…」


もしかして、帰り道のことでも心配しているのかな。


でも、今は雨も止み、道だってなんとなく覚えているから、無事に帰れるだろう。


心配するようなことは、何もないはず。


それよりも。