チャイムが鳴り、先生が教室に入ってくる。
「お、どうした？ 早く席に着けー」
先生は、私と藤堂くんについては何も触れない。
こうなることが分かっていたのか、それとも先生にとって私たちはそれくらいの薄っぺらい関係だということなのか。
正解なんて、どうでもいい。
私はこれからのことを、考えなくてはいけないんだから。
一時間目の授業が終わり、あの騒動から開けた初めての休み時間。
いつものように希子の席へ行こうとしたけど、それもついためらってしまう。
この姿の私が希子と楽しそうにしていたら、きっと希子のことも傷つけることになる。
大切な友だちだからこそ、失いたくない。
