偽王子と嘘少女



「へえ、こんな難しい問題もやるんだ」


同意してくれた紫水くんだが、彼の問題集を覗くと、もっと難しい問題ばかり。


それをすらすら解いてしまうなんて、やっぱりすごいなぁ。


「どう? 分かった?」


なんて考えていると、いつの間にか解説は終わっていたらしい。


「ご、ごめん! ちょっと、聞いてなかった」


紫水くんの言葉を無視するなんて、私なんてことを!


きっと、嫌われたよね…。


「…何か考えごとしてた?」


「えっ! あ、うん」


「もしかしてこの間の夏祭りのこと?」


「そう、かな…」


本当は紫水くんのことを考えていたけど。