「あ」 そのとき、りんご飴をくわえながら面倒くさそうに前を歩く藤堂くんを見つけた。 しかも、1人で。 「ちょっ、何やってんの?」 「何って、適当にぶらぶら的な?」 「ぶらぶらって…」 呆れて苦笑いで返す。 だけど、大事なことを思い出した。 「き…「希子は?」 私より先に、紫水くんが言う。 どうやら、同じことを考えていたようだ。 「希子? …ああ、芹澤なら、具合が悪くなってから帰るって」 「そう…花火一緒に見れないんだ」 藤堂くんの答えを聞くなり、落ち込む彼。