「なに喜んでんだよ。そんなに俺が来てうれしいのか?」 隣に来た藤堂くんは、口角をあげる。 「違うわっ!」 反射でつい言ってしまった。 この場には紫水くんもいるというのに。 「あ…違うの、紫水くん。これは、違くて、その…」 「なんでそっちに弁解してんの」 冷静に希子が突っ込む。 「まあ、いいよ。じゃあそろそろ行こうか」 紫水くんの掛け声で、私たちは歩き出した。