偽王子と嘘少女



「本当に大丈夫なの? 怖い人とか来ない!?」


合コンが初めてな私は、その得体の知れないイベントに、ありえないくらいの恐怖を感じていた。


「大丈夫だって! それに、友だちに頼んでおいたからさ!」


「頼んだ…? 何を?」


首を傾げて聞けば、希子は勝ち誇ったような強い笑みを見せる。


「聞いて驚け! 紫水くんも参加してくれるそうです!」


「えーっ!!?」


本当、本当なの?


あの紫水くんに会えるなんて、夢じゃないよね!?


嬉しさのあまり、顔のにやけが止まらない。


「良かったね、かぐや」


「うん! 良かったなんてものじゃないよぉ…!」


自然と溢れ出てきてしまう涙をなんとか抑えて、希子に抱きつく。