偽王子と嘘少女



だけれど、私の思いに遠慮して、自分の気持ちは今まで秘めていたまま。


全部全部、私のためだったんだ。


そう分かったとき、涙があふれた。


いつも隣で私を応援してくれていた希子。


その笑顔の裏には、どんな思いがあっただろう。


明日、もう一度話し合ってみようかな。


夕焼けに照らされながら、私は涙を拭いた。





そして次の日。


どんなふうに切り出すべきかを考えていたら、夜も眠れなかった。


そのため、非常に寝不足。


ああ、眠い…。


だけど、眠ってなんかいられない。


大切な友だちとの、忘れられない1日になるはずだから。