偽王子と嘘少女



希子が置いていった重い空気を1人で背負いながら、一歩一歩と前に進む。


希子が用事あるとかで1人で帰ったことは何度かあるけれど、こんなにも寂しく感じたのは初めて。


橙里、かぁ。


いつからそんなに、仲が良かったんだろう。


過去を探ってみる私。


だけど、これと言ったきっかけらしきものなんて見つけられない。


中学生のときから紫水くんのことが好きだった私の隣には、いつも応援してくれる希子いた。


どんな時でも。


なら、いつから…?


そんな時、ふとあることを思い出した。