偽王子と嘘少女



「だからさ、友だちとして1から仲良くしてくれない?」


強く頼み込むように、手のひらを合わせた。


…そんなの、だめって言うわけないじゃん。


「いいよ。これからよろしくね、園川さん」


微笑みかけると、園川さんはいつものように明るく笑った。


「本当に、いいの…?」


「うん。園川さんのこと、今度は信じてみたいと思ったから」


答えると、希子は、やれやれ、とでも言うように、ため息をついて笑った。


「じゃあ、しょうがないか。かぐやに免じて、許して上げるとしよう! でも、次裏切ったら、本当に許さないからね、雅!」


「うん。分かったよ、希子」


自分の名前が呼ばれて、嬉しそうな園川さん…ううん、雅。


これが私の、新たな友達ができた瞬間だった。