偽王子と嘘少女



何も絵文字がなくて、少し物足りない。


それでもいいんだ。


私は私のままで、紫水くんには正面からぶつかってみようと思うから。





「へえ、そんなことがあったんだ」


「うん! もう本当に紫水くんが格好良くて…」


次の日。


あれからの出来事を、希子に話した。


ついでに、何の話をしたらいいかという相談も兼ねて。


「まあ無難に、学校でのこととかでいいんじゃない? 『勉強難しいね』とか『休日なにしてるの?』とか」


「でも、仮に『勉強難しいね』って送ったところで、『そうだね』ってきたらなんて返せばいいの?」


「そんなのは、そのとき考えればいいんだよ。あまり心配しないでって」


「うーん、でも…」