偽王子と嘘少女



本当にモテたいだけなら、ひとりでいる時にしてほしい。


まあ、まさか私がいると知っていて、派手の格好で来るほど、彼は痛い奴ではないと思うのだが…。


心配でお腹の痛みが増して行く頃、私はショッピングモールへと着いた。


えっと、確か待ち合わせは東口のドア付近、だったっけ…。


これだけ広いと、扉が何個もあるから困る。


今私がいるのは、何口なんだろう。


ショッピングモール内のちょっとした地図を眺めながら、位置を確認した。


東口へと向かうと、そこには何やら小さな人だかりが出来ていた。


数人の女の子たちが輪になって、高い声を上げている。