偽王子と嘘少女



そして、デート(仮)当日。


私は、嫌々ながらもショッピングモールへと足を運んでいた。


格好はと言うと、いつもの学校モードと地味モードの間くらい。


かといって、特別なおしゃれはなく、メイクなんて必要最低限と言っていいほど。


普段愛用しているシンプルなTシャツとジーパンに、希子に誕生日の時もらった薄めのパーカーを羽織っただけ。


別に藤堂くんなら私の本当の姿を知っているし、気合を入れなくてもいいかなと思ったから。


だけど、当の本人がどんな服装で来るのか、少し心配なところもある。


学校での彼みたいな、格好良さを前面に出した、ファッション雑誌でよくモデルさんたちが来ているような服装で来られたら少し困る。