偽王子と嘘少女



ベッドに横になり、倒れ込む私。


「付き合ってもないのに、いきなりデートとか…どう思う、希子?」


『さあ。でも、嫌いな相手とだったらデートなんてしないよね、普通は。きっと、かぐやに気があるんだよ』


「まあ、そうかもしんないけどさ…藤堂くんは、普通じゃないからなぁ」


本当に、どうしたらいいんだろう。


こんなことが初めてで、緊張と不安でお腹がキリキリと痛む。


藤堂くんは、私を体調不良にさせたいのだろうか。


たとえそうじゃなくても、そうとしか考えられなくなってしまう。


はあ、私はまた1つ大きなため息をついた。