偽王子と嘘少女



「し、しょうがないじゃん! いろいろ、あったんだから」


言い訳してみるけれど、きっと何もなくたって彼に負けていただろう。


「…で、何でも聞くよ。お願いって何?」


「そうだなぁ。じゃあ…」


彼は満面の笑みで、思いもよらないことを言った。


「はあ!?」


まったく、藤堂くんの心理は本当によくわからない。


モテを勉強したいからショッピングデートに付き合ってくれ、だなんて。







『へえ。ってか、いつの間にそんなに仲良くなってたの? 藤堂くんと』


「知らないよ! あの約束だって、軽い気持ちだったんだよ? それなのに、デートって直接言ってくるなんて、何考えてんだろう…」


家に帰って、希子に電話をしている。


希子は驚きつつも、私たちの関係に非常に興味を持っている様子。


さっきから声のテンションが高いのも、そのせいだろうか。