「お前も会ってるから分かると思うけど、ルックスすげぇいいだろ、あいつ。まあ想像つくと思うけど昔からモテてたんだよ。」


モテない方がおかしい。
俺も、山吹の知人だと知らなかったら一目惚れをするくらい綺麗だった

そして、山吹は言葉を続ける


「告白もすげぇされてたな。莉乃も莉乃で、断らなくてよ。付き合ってた時期があったんだ。...でも、1週間も経たずに別てた。で、また新しいやつが莉乃に告白すんだけど、そいつもまた1週間も経たずに別れてた。それが何回も続き、とうとう告白するやつはいなくなったんだ。」


大方予想は出来ていたのであまり驚かなかった。山吹の知人が普通なわけがない。それよりも俺は、こんなにも人の昔話をペラペラと喋る山吹に対して驚いている。お前には、人のプライバシーというものを知らないのか。...聞いたのは俺だけど。


「どうして1週間も経たずに別れたんですか?」


腹の中では山吹に対しての人間性を疑いつつも、疑問を解決することを最優先にする。


「あぁ、それは.....莉乃はドロドロした人間関係が好きだからだ。」


山吹は呆れたように言い、「幼馴染みが変人で俺も苦労している」と付け足していた。

待て、お前も変人だから人のことは言えないぞ?とツッコミたくなったが、吐き出しそうな気持ちを抑えて疑問を問いかけた


「えっと、それは一体どういう意味なんですか...?」