「保健室の王子様ねぇ……」

誰なんだそんなキモイあだ名つけたの。

てか、王子様ってガラじゃねーし。

「藤宮美優……」

俺は名前を呟くと、少しだけ笑った。

「なーにニヤニヤしてんのよ」

扉を開けて養護教諭が入ってくる。

「んーにゃ。キャラ変した方がいいかなって思って」

「遊くんが?俺様飽きたの?」

「いや、俺王子って呼ばれてるらしくてさ」

「なーにそれ」

くすくす笑う先生。

「雪乃ちゃんは?どう思う?」

坂口雪乃(さかぐちゆきの)。

この学校の養護教諭。

「遊くんは、なんでも似合うと思うよ?」

そう言って俺の頭を撫でる。

「……雪乃ちゃんは欲求不満なのかな?」

片手で抱き上げると、俺は雪乃をベットに運ぶ。

「最近彼氏がつまんなくてねー」

「そう」

俺はふんわり笑うと、雪乃の上にまたがる。

「鍵かけてないんだけど」

「大丈夫だろ」

俺は保健室の王子様。

ならそれなりの役を果たさないとね。