「……神楽坂遊」

あぁ!

そうだった!!

「私は別に神楽坂のことなんて興味ないわ……っ」

ガンッ!

「ねぇ、俺名乗ったんだけど」

腕を掴まれ、ロッカーに固定される。

「い……った……っ!!何すんの?!」

「だから、俺名前言ったから。お前も教えろって言ってんの」

はぁ?!

なんでこんなに上から目線なの?!

まぁでも、名前言わないと……アレか……。

「先に手ぇ離しなさいよ」

これ地味に痛いんだから……。

フッと手を離される。

「2年、藤宮美優」

「あぁ。後輩か」

フンッと鼻で笑われる。

「はいはいそうですよ。じゃあ私はこれで」

「ねぇ美優。お前俺の質問に答えてなくない?」

「はぁ?」

てかなに?

急に下の名前って?

気持ち悪い。

「俺のこと、美優も『保健室の王子様』って呼んでるわけ?」

「呼ぶわけないでしょバッカじゃないの?」

私はそう言って、神楽坂に背を向けてドアに手をかける。

「では」

そう言い放つと私は保健室から出ていった。

あ……。

下の名前で呼ぶなって言うの忘れた……。