開いた……?

いやいやいや?!

私まだ触れてないよね?!

「誰?あんた」

上から声が降ってくる。

恐る恐る顔を上げると……。

超絶イケメンが……っ!

「いや、聞く前にお前が名乗れよ」

……普通の女の子だったらときめくんだろうなぁ……。

私は目の前の男を睨む。

「人の名前聞く前に、自分から名乗りなさいよ。てか何その聞き方。初対面の人にそんな口の聞き方はないんじゃない?」

非常識にも程がある。

何なんだこいつ。

これが噂の「保健室の王子様」か。

「まぁ別にお前の名前なんか興味ねーし」

そう呟いて私の横を通り抜ける。

はぁ?!

何この男感じワル!!

「てかなんでそんな所に立ってんの。邪魔なんだけど」

カッチーン!

「すいませんね!あんたの存在を今朝知ったばかりだから、ちょっと気になっただけですよ!こんな男だとは思わなかったわ!『保健室の王子様』が!!」

私は勢い余って言い返す。

王子様って言うからもうちょっと物腰柔らかなやつだと思ったのに!

ただの顔だけ野郎じゃない!

「……保健室の王子様?」

ナニソレ?見たい顔をされる。

「あんたが学校中に呼ばれてるあだ名よ」

「初めて知った」

「でしょうね。保健室でずっと寝てて、ほかの生徒と関わりを持たない。でも成績優秀なあんたのことを、期待と羨望を込めて保健室の王子様って呼んでんのよ。可愛そうな女の子たち」

「へー。で?あんたも俺のこと保健室の王子様って呼んでんの?」

ニヤニヤ笑う……えーっと……。

名前なんだっけ……。

「なわけ。私は今日あんたのことを知ったのよ?」

本名忘れたからなんとも呼べないんだけど……?!