「はーい、じゃあプリント配りまーす」

そう言って配り出す先生。

ぶっちゃけプリントなんて、あってもなくても一緒でしょ……。

教科書まるまるコピーだし。

「はい」

「どーも」

前から回ってきたプリントに手を伸ばす。

ピッ……。

「……っつ!」

あーあ。

やっちゃった。

紙を掴み損ねたわたしの指は、プリントの端で指を切った。

絆創膏……は、今日持ってきてないんだったわ……。

「せんせー。指切ったので保健室で絆創膏もらってきまーす」

私はそう言うと、とりあえずプリントを後ろに回して席を立つ。


トントントンっと階段を降りて保健室へ。

「失礼しまーす……」

あれ?

先生いないし。

しょうがないか……。

「絆創膏貰いますよーっと……」

私は小声で言って絆創膏を一つ取る。

ペリペリっと剥がして指に貼る。

ゴミを捨てようとふと顔を上げた時に、突如思い出した咲良の言葉。

「……保健室の王子様……」

いやいや、バカらしい。

てかなんだ王子様って。

授業サボってるやつを王子なんて言うか。

ただの不良じゃないか。

とか思いつつ、保健室と相談室をつなぐドアから目が離せない。

「はぁ……」

所詮、私も女か……。

スタスタとドアの前まで歩いてしまう。

あんだけイケメンイケメン言われたら、気になるに決まってんじゃん。

そう思い、私がドアノブに手をかけようとした瞬間……。

ガラガラガラッ

……え?