それはきっと恋じゃない




「ね、他校の男の子ってどんな子なの?」

美麗ちゃんが興味津々に目を輝かせる。

ぱちぱちと瞬きするたびに星が散ってるみたいに綺麗な瞳だ。



「特別かっこいいってわけじゃないけど、すごく面白いよ、和也(かずや)っていうの。

あ、さっきの写メ和也に送ったから!」


「マジでー!返事きた?」



ふたりはどんどん盛り上がる。
食べかけたお弁当は、まだまだ面積が減ってないみたいだ。

わたしは完食しちゃったんだけどな、どうしよう。



「あ、きたきた。

……ん、なに?!」

「え、どうしたのほのみ」


こころなしかほのみちゃんの頬が紅潮してきている気がする。


「和也の友達、めっちゃイケメンらしいんだけど、その人に私らの写メ見せてもいいか、って…!」


「マジ?イケメン?それほんと?」



イケメン、っていう言葉に食いつく美麗ちゃん。

美麗ちゃんは中学の頃からかっこいい男の子が大好きだったからなあ。

よく学校でイケメンだと騒がれてる人と付き合ってると聞いたことがあったし。