それはきっと恋じゃない





「……うるさい」



雪路がスマホから目を背ける。



「やっぱり雪路も可愛いって思うよな??惚れた?誰々?どの子?」



まさか雪路がそんな反応してくれるなんて思っていなくて、俺も声が弾む。


「やっぱ右の子?それとも左の子?

どっちも可愛いけど俺だったら___」



「……真ん中」





「____へ?」






俺は思わず雪路を凝視する。


雪路の顔は
さっきより赤かった。




「……だから、真ん中のやつだって言ってんだろ」




真ん中、って。


あの一番冴えなくて地味な、
釣り合っていない女子?


いや、まさか。