一学期の終業式、久しぶりにクラスの面々が顔を合わせる。
そして、私の隣の席の河野とも。
私が教室に入ると、既に河野は席に着いていた。
少しだけ緊張して席へと向かう。
やっぱり、そこに言葉はなくて。
もともと朝の挨拶だってろくに交わしてはいなかったけど。
終業式のため、体育館へと向かった。
ただただ、ダルいだけの儀式。
校長の長い挨拶と、生活指導からの夏休みの注意事項。
いつものことながら、ほとんど聞いていなかった。
でも、式の最後の方で、あの声が聞こえてきた。
「夏休み明けに体育祭実行委員を各クラスから選出します。各クラス、各自、速やかに選出出来るよう検討しておいてください。生徒会からの連絡事項は以上です」
思わず体育館の壇上を見上げた。
やっぱり生徒会長だったんだと、今更ながらに知る。
本当に、にこりともしない。
生徒会長なんて普通、もう少し熱血タイプがやるものなんじゃないの?
遠く離れているから、大勢の生徒の中の一人でしかないから見ていられた。
伸びた背筋が壇上からおりる。
相変わらずの無表情。
私は、その姿から目を逸らせない。
この気持ちは一体何なのだろう。
その姿を見るだけで、こんなにも胸が苦しい――。