試験返却日で、一週間ぶりに登校して来た。
絶対にヤバいと分かっていたのに、努力するでもなく、結局試験を終えてからの1週間、遊びほうけた。
現実逃避したところで、なかったことにはならないらしい。
薫の呆れかえった声がグサグサと突き刺さる。
「フミさ、いくらなんでもこれは酷くない?」
予想を裏切らない結果に、笑っちゃいそう。
返された答案用紙は、どれもこれも悲惨、壊滅状態だった。
現代文以外はすべて赤点という、まさに教師の仕事を増やしている私。
この時期の3年生でこんな酷い成績を取る人なんてこの学校にはいないから、追試も補習も想定されていない。
でも、私の成績があまりに救いようがなくて、案の定担任に呼び出されていた。
「いくら少子化の時代とはいえ、あんたを入れてくれる大学なんてないよ」
「夏の講習、フミも強制参加だからね」
そんな約束まで取り付けられてしまった。
でも、言い返す言葉もない。
「仕方ないから担任のところに行って来る」
私は、果てしなく長く感じる廊下をとぼとぼと歩いた。



