素直の向こうがわ




そして、国立大学の合格発表の日が来た。


どうすれば河野の結果を知ることが出来るのか。

そう考えるのと反対に、その結果を聞くことがとてつもなく恐ろしくもある。

でも、どうしたって知らないでおくことなんて出来ない。


朝から一人、部屋の中を意味もなく歩き回った。
ただ手を握り締めては心で祈る。

何も手に付かずに時間を持て余していたその日の午後。
私のスマホが鳴った。それだけで勝手に身体は緊張し始める。


「もしもし――」

(フミに知らせようかどうか迷った。でも、やっぱりフミには一番に知らせるべきだと思った)


前置きの一切ない、重苦しい薫の声に息が詰まる。身体中に嫌な空気が充満する。


(彼から聞いたの。――河野、落ちたらしい)


その瞬間、視界が真っ白になった。