素直の向こうがわ



河野と、ただクラスが同じってだけの関係に戻って、すぐに2学期は終わりを迎えた。

終業式が終われば、この1年も終わる。


「ねえ、河野とあんた、どうしたの?」


私と河野の視線が交わることはない。
河野が教室を出て行く姿を見て、薫が硬い表情で私を見つめて来た。


「もう、別れたよ」


薫の顔は見ずに帰り支度をしながら答える。


「え? なんでよ。まさか、あんたから?」


追及するように顔を近付けられて、私は思わず俯く。


「……河野に言わせた」

「言わせたって……。あんた、本当にそれでいいの?」


いいとか悪いとかじゃない。


「河野のこと好きなんでしょ?」


腕を強く掴まれて身体を揺さぶられる。
私の身体は何の意思も存在しないかのようにふらふらと揺れる。


「フミ!」


薫に声を荒げられて、私はたまらなくなって声を上げていた。


「もういいの! 私が全部悪いし、これで良かった!」


これ以上何も聞きたくなくて鞄を乱暴に掴み、教室を出た。
そうでも言わないと私は立っていられない。
この結果を肯定しないと、私は崩れてしまう。