「確かに、河野が山下とのことをどう思ってるかは分かりようもないけど、でもこれだけは言えるでしょ。河野がフミのことをとっても大事に想ってるって」
薫の言葉に、鼻の奥から何かがせり上がって来ようとする。
「だから、フミは自分の今の河野への想いをたくさん河野に伝えればいいんだよ。河野が山下のことなんかで不安になる暇がなくなるくらい」
「そうだよ。河野ならちゃんと分かってる。フミがどれだけ河野のことを好きか」
二人に慰められて、授業前だというのに号泣しそうになる。
それを必死に抑えるために声に出さずに、ひたすら頷いた。
「河野はそういう男。だから、本当のあんたを見てちゃんとフミのことを好きで付き合ってるんだよ。フミもしっかりしろ!」
パンっと背中を薫に叩かれた。
どれだけ情けない顔をしていたのだろう。薫の言葉で弱腰な自分を追いやった。
河野の力になりたい。私が、誰よりも近くで河野を見ていたいと思う。
もっと頑張らなきゃ。
もっと頑張りたい。



