「ほんと、二人仲良いよね。ラブラブじゃん」
10月もそろそろ下旬になろうかという日の朝の授業が始まる前、薫や真里菜と教室のベランダで並んで喋っていた。
「誰のこと?」
「あんたたちのことだよ。河野とフミ」
ニヤッとした表情を私に向けて来て、わざと甘ったるい声で真里菜が言った。
「ラブラブなんかじゃないよ。二人でいる時なんて勉強しかしてないもん」
本当にそうなのだ。
週に一回は河野の家に行く。でも、甘い雰囲気になんかなったことない。
手を繋いだこともないどころか、まともに触れたことも触れられたこともない。
そんなところまで本当に河野らしい。
「でも、本当に最近のフミは生き生きしてるよ。毎日頑張ってるじゃん。それもこれも河野のおかげだね」
薫がちらりと後ろを振り向き、その視線を河野の方に向けていた。
私もその視線につられて、窓の向こうの河野の様子を盗み見る。



