素直の向こうがわ





二人で2時間ほどみっちり勉強した頃に、玄関から元気な声が聞こえて来た。


「あ、渉帰って来たな。下行くか」

「うん」


河野と顔を見合わせ、1階へと下りて行った。


「あー! あの姉ちゃんだ。変わってるから一瞬分からなかったぜ!」


盛大に驚いた様子を見せてくれる渉君に思わず笑ってしまう。


「イメチェンしたんだよ」

「今の方が、カワイイよ」


そんな素直な感想に頭を撫でたくなる。


君のお兄さんは一言もそんなことは言ってくれませんからね――。


「今日もまた二人で一緒にご飯作ろうか」


私がそう提案すると「やるやる」と言って喜んでくれた。