その嬉しさで、私は何も言葉を返せないでいた。
「あいつがちゃんと本気でフミのこと想ってるんだって凄く伝わって来た。だからあんたもさ、そんなおっかなびっくり付き合ってないで自信もちなよ」
その薫の言葉に、朝から少し目が潤みそうになる。
声を発したら涙声になってしまいそうで、私は無言のまま頷いた。
嬉しくて幸せで、胸が震える。
私もちゃんと想われている――。そう思ってもいいよね。
それから教室へと入ると、河野がいつものように何かを読んでいる姿が目に入った。
まだ私に気が付いていない、本に意識を向けたままの横顔を見ただけで、想いが溢れて来る。
私が河野のそばに立つと、こちらを見上げてくれた。
「もう大丈夫か?」
「ばっちりだよ」
私が満面の笑みで答えると、「そうか」って微かに笑ってくれた。



