「で、なんで私たちとお昼食べてんのよ。何やってんの?」
「何が?」
真里菜の言葉の意味が分からなくて、目をばちくりとさせた。
「河野と一緒に食べなよ」
「え? そんなの無理だって。そんなことお願い出来ない!」
私は一人あわあわと大きく手を振る。
「教室が無理なら、ここの中庭でいいじゃん。二人で食べなよ」
「そうだよ。同じクラスで毎日近くにいる、なんて状況いつまでもあるわけじゃないんだよ? 半年後には卒業するってこと分かってるの? そんな躊躇してる暇なんてないの」
薫の言葉に、私は振り上げた手を下ろした。確かに、そうだ。
「う、うん……」
「頑張れ!」
二人の満面の笑みに勇気をもらう。
「そう言えばさ、嫌なこと思い出して悪いんだけど、あの生徒会女子が今河野の弁当作ってるんじゃなかったっけ?」
「あ……」
せっかく奮い立たせた気持ちが急激にしぼみ出した。
「河野がそんなのやめさせるでしょ。こっちが心配しなくても」
「それもそうか。彼女がいるのに他の女に弁当作らせるわけないもんね」
二人は勝手に納得していたが、私は気が重いままだった。
さっきの脇坂さんの表情が蘇って来る。



