結局、あまり眠れずに体育祭の日の朝を迎えた。
気が重すぎて、足が鉛のように思い。
私、一体何やってんだろ……。
大して親しくもなく何の恩もない相手の願いに律義に答えようとしちゃって。
自分でも馬鹿馬鹿しく思えて来る。
私って、こんなにお人よしだったっけ?
ベッドから起き上がり腰掛けると、大きく頭を振った。
違う。あの子のためじゃないーー。
九月下旬の空は、体育祭日和とでも言うような、鬱陶しいほどの快晴だった。
最後の悪あがきかのように、むきになって太陽がじりじりと日差しを届けて来る。
もう十月も目前だというのに、真夏のように暑い日だった。
「体育祭で、好きな男のハチマキもらうとかって、高校でもやってるもんなの?」
グラウンドで自分たちのクラスの一番後ろの席を陣取り、真里菜や薫と並んで座っていた。グラウンドの真ん中では何かの競技をやっているようだったが、それが何だかは分からない。
「どうしたの、急に。まさか、フミもほしいの?」
つい口から出てしまった自分の問いかけに激しく後悔する。
ニヤっとした真里菜の顔を見ても後の祭りだ。
「違うよ。なんか女の子たちが騒いでるのをたまたま聞いてさ。中学の時はそんなことで盛り上がってた子がいたような気がしたけど、高校でまでそんなのあるのかなと思って」
私は慌てて一般論にすり替えた。



