素直の向こうがわ



その夜、家で大事に大事に河野からもらった『お礼』を食べた。

綺麗な包み紙の中にはこれまた綺麗な淡い紫色の箱が入っていて、宝石みたいに綺麗なチョコレートが並んでいた。

どんな顔してこんなもの買ったのだろう。

あのしかめっ面を思い出して、顔がほころぶ。
だけどすぐに、甘くてほろ苦いチョコレートの味が私の涙腺を刺激する。


そして――。
この日何度読み返したか分からないメッセージカード。

まさかこんなものもらえるとは思っていなかったから、私にとっては大事な宝物になった。

そっと胸に当てて抱きしめる。


好きでいるくらいはいいよね。
想いを打ち明けてあんたを困らせたりしないから――。


目に入る『これからも楽しみにしてる』の文字に、胸の奥が痛い。