ハンカチでは水分を吸い取り切れないけれど、なんとか人に見られて恥ずかしくないくらいにはなった。
いつもより少し幼くなった顔の私が鏡に映る。
明らかに泣いたと分かる赤い目に心細そうな表情。
そんな自分が惨めに思えて鏡から目を逸らした。
「今日は、中庭でお弁当食べようか?」
何かを察したのか、薫がそう言って来た。
こんな時に誰かが傍にいれくれることの温かさにまた泣きそうになる。
昼休みの中庭にはそんなに生徒はいなかった。
九月の中旬を過ぎているとはいえまだ暑い日が続いている。
わざわざこんなところでお弁当を食べようなんて人はいないらしい。
「さっき、ちょっと見てたけどさ……」
ベンチで三人並んでお弁当を広げる。ぼそぼそと手抜きサンドイッチを頬張る私を見なが真里菜が口を開いた。
「早速、生徒会女子はお弁当届けに来たわけ?」
私は静かに頷いた。
さきほどの河野の表情が蘇って来て思わず目を瞑る。
「めちゃくちゃ積極的じゃん。それならもっと早く動いとけっていうの。それって絶対フミの存在を知ったから焦ってるんだよ」
いや、だからあの二人は両思いなんだって――。
真里菜の発言に心の中で突っ込みを入れる。
でも、今度は河野からもらったカードを思い出して胸が苦しくなった。



