遼河パート

俺の母親は男にだらしなかった。

それを隠して生活していた。

それが、バレるまでは誰からも羨ましがられるような家族だった。

それが壊れ始めたのは、俺が中学一年で父が単身赴任している時だった。

近所である噂が流れ始めた。

その内容は母が繁華街で毎回違う男を連れて出歩いているというものだった。

確かに最近帰りが遅いことはあったけれど、たまには息抜きもいいだろうと思っていたので、気にしていなかった。

そして、その噂は学校にも回っていて、いじめられるようになった。

家から1歩出れば、全てが敵に見えた。

唯一俺の味方だったのは母だけだった。

そうなったのは母の噂のせいなのだが、俺はそんな噂信じてなかったので恨むなんてことは無かった。

そして、母も噂を否定していた。

まあ今考えれば、本当のことなんて言うはず無かったんだけど。

でも、信じていないと何かが壊れる気がした。