私は遼河に駆け寄った。
「遼河!大丈夫?とりあえずこれで冷やして。」
駆け寄る前に濡らしてきたハンカチを渡した。
私を見つけるなり、遼河の表情は笑顔に戻った。
遼「ありがとう。恥ずかしいところ見られちゃったな。」
「盗み見するつもりはなかったんだけど…。」
遼「いや、別にいいんだよ。」
「遼河もあんなふうに叩かれることあるんだね。」
遼「あー…、たまにね。
雪音ちゃんはこんな人気のないところまでなにしにきたの?」
「私は奥の自販機に行こうと思ってたの。それでたまたま通って。それより、今更だけどさっきの子追いかけなくていいの?」
遼「…ほっといていいよ。
あの子も同じだから。」
その瞬間遼河の目が陰ったのがわかった。
「遼河…それってどう言う…」
遼「まっ、気にしないでよ。
とにかくほっといていいからさ。
雪音ちゃん飲み物買いに来たんでしょ、早く行かないと鐘なっちゃうよー!」
「えっ、やば!ほんとだ。
行かなきゃ。」
遼「じゃ、俺も戻るから。また後で〜」

