そこまで話して薫は一息ついた。
薫「その時助けてくれたのが魁だったんだ。その日から、魁に言われた言葉が頭から離れなくなってて、気づいたら魁を探してた。
それで見つけたのが龍王だった。
みんなはこんな僕を受け入れてくれた。
確かに最初は信じてなかったけど、魁が言ったような誰かを守れるやつになりたかった。そして、ちゃんと信じることが出来るようになったんだ。
僕に仲間ができたのは魁のおかげなんだよ。」
そう言った薫の顔は、今までの暗いものとは違って晴れやかなものだった。
「そうだったんだ。良かったね。」
薫の顔を見ていたら自然とその言葉が出てきた。
薫「えっ?良かった?」
「あっ、ごめん、気に触っちゃったかな?
確かに、良かったなんて変だよね。」
薫「ううん。変なんかじゃないよ。
てっきり同情されると思ってたからびっくりしたんだ。でもどうして?」