魁翔は無視、真琴は少し微笑んでスルー。
薫はと言うと、一瞬ゴミでも見るような嫌な顔をした後、笑顔で対応。
多分、今の薫の変化は私しか気づいていないと思う。ほんと一瞬だったし。
その薫の顔がきになって薫を観察していると、クラスメイトの誰に対してもたまにその顔をしていた。
まあ基本的には可愛くて笑顔が素敵な男の子って感じなんだけどね。
だから誰も気づいてないんだろうなぁ。
薫の瞳が暗いことに。
私には何かしてあげられることあるのかな?……
キーンコーンカーンコーン
「試験終了。ペンを置いてください。」
試験官の合図で最後の科目が終わった。
私にしてはなかなかの出来かな。

