綺羅は、礼司が目の前からいなくなってしまった理由を、探していた。

早智子さんが言ってくれた言葉が礼司のことなら
彼は私の目の前からなぜ消えてしまったのだろう。

早智子さんは、それ以上は語らず、
眠っているミルクの頭をなで、

お風呂入ってらっしゃい、まだ温まってないみたいだから。
そういうとタオルを渡してくれた。

「ありがとうございます。」

綺羅はそういい、お風呂場へ向かった。
湯船につかると、礼司の言葉の意味を考えた。「なんで?」

何度思い出したことか、あなたの色とりどりの表情は消えない。

涙がお湯に溶けていく。

私はあなたがすべてだったんだよ、

礼司は私がすべてじゃなかったの?

両手で顔を覆うと無数の泡が立ち上った。