「柚葉」




「もー、うるさいよ渚!!」




「なんで」




「会話が成立してない!!」




「なんで俺と柚葉が隣の席じゃねぇんだよ」




「そんなん知らないよ!!」




ミズキとハルノなので当然出席番号は少し離れている。




「柚葉、春野くん、なんかごめんな?」




「ちょっと、隼人は悪くないから謝んないでよ!って渚はすねんな!!」




ハルノと、ハシモト。

なんとなんと隼人と渚は出席番号が前後で席も近い。




渚の機嫌が悪い理由がバレバレだ。




「渚、そんなんじゃ柚葉ちゃんにいい加減愛想つかされるよ?」




「純くんそれは問題ないよ、柚葉も渚くんにベタ惚れだから」




「ねえ待って彩葉、私そんなこと言ったことなくない?」




「なに?柚葉って渚くんのこと好きじゃないの」



「は?」




グッと渚の眉間にしわが寄り、私は寒気を感じた。



「そ、そうは言ってないでしょ!わ、私ちょっと先輩のとこいってくる!」



「は?何しに」



「きょ、今日の部活の確認……?」




嘘です、ほんとは渚に心を読まれそうで怖いからです。




「第一、先輩って誰?部長?」



「そーだよ!マネージャーなんだから、部長のお手伝いするのは当たり前じゃん!」



合宿から時々サッカー部の手伝いに行っていた私達四人は、結局マネージャーになった。



「じゃあ俺も行く」




「え」




「ほら、行くぞ」



「わ、ちょっと!!」




私は渚に引きずられるように3年生のフロアに連れて行かれた。