「あ、りがと…」



ぱっと渚から離れてそばに落ちていたバッグを拾う。



「一人で帰れんの?」



「う、ん…」



「あっそ。じゃ、俺部活だから」



渚はだるそうに練習着のポケットに手を入れて歩いていく。



「あっ……渚!!」



きっと私は、顔が赤い。この気持ちを隠せるのは……あと少しだろう。渚は鋭いし。




「ん?」




「ありがとう!!」




「おー」