「え、ちょっと!これじゃあ渚が寒くなっちゃうじゃん!!」



渚が投げたのは、さっきまで渚が着ていた黒のパーカー。



「バーカ、寒くなんかねえし」



渚は半袖のTシャツ一枚でさっさと歩いていってしまう。



「ちょっと置いてかないでよ!!てかほんと大丈夫だから渚が着なよ!」




「うっせぇ、黙って俺の言うこと聞け。」




……言い方は俺様だけど、やっぱり優しいところがちょっとムカつく。





でも……そんなところも含めて、渚が好きになっちゃったんだよね。




私のはおった渚のパーカーは、とてもぶかぶかだった。でも……とても落ち着く香りがした。