「サクはね、」

珍しく聞いたこともないような口調で友子が話し始めた。

友子の声だけが聞こえるようで、私の周りはしんと静まり返ったみたいだ。


「もう少し素直になってもいいんだよ。私は根が優しくて優しすぎてネガティブなサクが心配だけど大好きなんだ。私の言葉なんていつもは軽口で信用ならないかもだけどさ、今回ばかりは信じてほしい。だからだから…」


「友子……、ありがとう。嬉しい。私も友子が好きだよ、だから信じるし、ネガティブ卒業できるようにがんばろっかな?」


いつもは仕事の愚痴だとか、友子の恋愛話とかそんな話ばかりで。

付き合いだって入社してからの数ヶ月だから、そんなに思ってくれてるなんて思わなかった。