「おい時雨、あんまりはるかのこと誑かすなよ」
いつの間に降りてきたのか、眠そうなお兄ちゃんが欠伸に言葉を混ぜながら言った。
「おはよ、かなた。人聞き悪いな、ただ喋ってただけだよ」
ね、と微笑む相沢くんにはい、と返す。
たぶらかすってよりは可愛がられてると思う。思いたい。
「まぁ、別にいいけど。てか、1ヶ月で随分はるかに懐かれたな~時雨。」
お兄ちゃんは私の目の前に立つと私のほっぺたを軽くつまんで伸ばして遊びはじめる。
痛くはないし、お兄ちゃんの愛情表現というか、可愛がりと分かっているので抵抗はしない。
「て、ことは。あの飲み会から1ヶ月かぁ~、早いね」
